災害看護 命を守る知識と技術の情報館 ユビキタス社会における災害看護拠点の形成
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兵庫県立大学大学院看護学研究科 21世紀COEプログラム
役立ちマニュアル:高齢者偏
災害時に避難所で高齢者の看護にあたられる皆様へ
備えの時期 災害発生初期 復旧・復興期

メンタルヘルスについて


高齢者が、自ら避難所内で生活の場を確保することは難しく、避難所内の移動を繰り返し、環境の悪い場所で我慢するうちに、精神的ストレスが身体症状として出現することがあります。また、突然の災害で呆然とした日々を過ごすとADLレベルの低下も起こりやすく、それが誘因となって慢性疾患が増悪することも考えられます。もちろん、高齢者も周囲が気づかない間にPTSDに陥っている可能性もあり、無力感に苛なまれたり、見通しの立たない将来に不安を抱くなど、精神的動揺がつきることはありません。
これらのことから、避難所生活を送る高齢者のメンタルヘルスを維持、向上させるためのアセスメントや対処はとても重要です。


精神的ストレス、将来への不安に対するアセスメント


1. 精神状態(不安・焦燥、苛立ち、怒り、鬱的傾向など)悪化の有無

2. 睡眠状態(不眠、熟睡感、入眠困難、途中覚醒など)悪化の有無

3. 身体症状(血圧上昇、血糖値の上昇、消化器症状〈急性胃潰瘍による嘔気、嘔吐、腹痛、吐血、下血〉など)悪化の有無

4. 生活状態(避難所の生活環境、周囲との人間関係など)や将来への不安の有無

精神的ストレス、将来への不安に対するアセスメント


精神的ストレス、将来への不安への対処方法


1. 避難所を巡回して上記の点についてアセスメントを行い、高齢者の精神状態を把握する

2. 可能な限りゆっくりと話を聞ける場所を確保し、傾聴の姿勢で接する

3. 精神状態が不安定な高齢者に対しては、精神科の受診や往診を手配し、必要に応じて内服処方の指示を受け、投与を行う

4. 精神状態を悪化させる誘因を特定し、調整・介入する

5. 避難所の状況を検討し、必要に応じて「プライバシー空間の設置」や「場所替え」も検討する

6. 専門家の避難所訪問、心理的支援プログラムの施行を計画する

精神的ストレス、将来への不安への対処方法


無力感、PTSDの徴候に対するアセスメント


※先の「精神的ストレス、将来への不安に対するアセスメント」に以下のことを加えてアセスメントを行う。

1. 避難所生活における活動性やADLレベルの著しい低下の有無を確認する

2. PTSDの徴候(被災時を思い出すと涙が止まらない、眠れない、虚脱感で何もできないなど)の有無を確認する

3. 避難所生活における対人関係でのトラブルやストレスの有無を把握する

無力感、PTSDの徴候に対するアセスメント


無力感、PTSDの徴候への対処方法


1. PTSDの徴候がある場合は、早急に精神科医やメンタルケアの専門家(臨床心理士、カウンセラー等)の受診・往診を手配する

2. 可能な限りコミュニケーションをとる機会を持ち、信頼関係を築けるようにつとめる

3. メンタルケアの専門家を交え、避難所生活に対する思いを語り合う、グループ討議の場を企画する

4. メンタルケアの専門家による「相談窓口」を避難所に設置できるよう、検討・調整する

無力感、PTSDの徴候への対処方法



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