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役立ちマニュアル:こころのケア
避難所でできること
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話を聴く


被災者が、自分の体験したことや感じたことを早期に誰かに話せることは正常なストレス反応の回復を促進するのにとても大切です。そのため、被災者が、安心して語れる場を設定したり、思っていることを表出できるような働きかけが重要です。
話を聴く技術として、アクティブ・リスニングという方法があります。
アクティブ・リスニングは、被災体験を聴く時の方法として、とても適していると言われていますので、ぜひ参考にしてみてください。
ただし、人によっては、何も話したくない時期もあります。「聞き出す」ことだけにこだわらないことも大切なことです。場合によっては、血圧測定などの身体援助を媒介にしたコミュニケーションが有効なこともあります。また、訪問回数を重ね、次第に心を開いてくれる被災者もいます。相手のペースに合わせ、無理せず、その場でできる対応をしましょう。
一方で、話を聴く作業は、援助者にとって、とてもエネルギーのいる作業です。決して無理せず、自分自身にも気遣いをしてあげましょう。(参照:看護者のための災害時心のケアハンドブックU)


話を聴く


アクティブ・リスニングの基本


「聞き役」に徹する

話の主導権をとらずに相手のペースに委ねる

話を途中で妨げない

話を引き出すよう、相槌をうったり質問を向ける

事実→考え→感情の順が話しやすい

善悪の判断や批評はしない

相手の感情を理解し、共感する

ニーズを読み取る

安心させ、サポートする

出典)David L Romo(1995):災害と心のケア,P28,アスク・ヒューマンケア.


アクティブ・リスニングの実際


1. 声をかける
「大変でしたね」「いかがですか」「私にできることはありますか」など

援助者が避難所や被災現場でアプローチするときは、いきなり近づいてびっくりさせたり、ずけずけと押しつけがましい感じにならないよう注意。まず深呼吸して自分の心を落ち着かせ、自信をもって静かに歩み寄り、自然なタイミングで声をかける。

2. 事実を聞く
「地震があったとき、どこにいましたか」「まず何をしましたか」「誰と一緒でしたか」など

相手が話を始めたら「誰が」「何を」「いつ」「どこで」「どうやって」の質問を使いながら話を聴く。感情より事実の方がはなしやすい。

同じことを繰り返したり、記憶を探るのに手間取っても、せかさずに相手に注意を集中し、ときどき相手の言葉を繰り返すなどして相槌をうつ。相手に「理解されている」という安心感を与え、記憶の整理を助けることになる。

3. 考えを聞く
「揺れの瞬間、何を考えましたか」「このところどんなことを考えていますか」「ずっと頭から離れないことは何ですか」など

これは、何がおきたか理解し、自分の考えを整理するための作業となる。

適切でないと思われる考えでも、批判したり論評を加えたりしない。

4. 感情を聞く
「避難所にきてどんなお気持ちがしましたか」「今どんなお気持ちですか」など

多くの人は、考えを話すうちに自然と感情を表現するが、場合によってはやわらかく質問を向ける。

理解と共感をもって話を聞き、指示やコメントは避ける。

深い悲しみの只中にいる人は、感情に関する質問にイライラし、不快感をもつ。土足で踏み込まないよう注意。

恐怖や不安を口にすると、たいていの人は自分が弱い存在だと感じるもの。過度の哀れみや同情は、相手の無力感を強めてしまう。サポートが必要。

5. 相手のニーズに応える

一般的な被災者のニーズは、自分と家族の安全で快適な生活・安心・親しい人達との接触・理解と共感。また、単に世話を受けるのではなく「自分が何かの役に立っている」という実感である。ニーズを見極め、可能な援助を具体的に行う。

被災者の感じていることはストレスへの正常な反応であり、時と共に薄らいでいくことを伝える。

いたずらに励ますのではなく、「無理をしないでください」「こまめに休みをとるといいですよ」「食欲がなかったら、少しずつ何度にも分けて食べるといいですよ」など気遣いが必要。
出典)David L Romo(1995):災害と心のケア,P28-29,アスク・ヒューマンケア.



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