災害看護 命を守る知識と技術の情報館 ユビキタス社会における災害看護拠点の形成
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兵庫県立大学大学院看護学研究科 21世紀COEプログラム
役立ちマニュアル:妊婦・産後編
医療施設でケアする看護職
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安全を確保し、安心を提供する


安否・安全を確認する


安否・安全の確認の視点を下記にあげました。リストを参考にして、自分たちの施設の特徴に合わせたチェックリストを作成して、目につくところに置いておきましょう。

―安否・安全確認の視点―
・患者の安否
・機器が作動しているか
・二次災害が起こっていないか
・チューブやラインがはずれていないか

―確認するところ―

機器類 医療機器が正しく作動しているか?
患者に接続しているチューブやラインに異常はないか?
ライフライン ガス漏れの有無・ガスの元栓は閉まっているか?
電気系統・自家発電は作動しているか?
水道管が破損して水漏れなどないか?
環境 壁に亀裂がないか?
電気やガスに常時接続している機器は作動しているか?(火災の可能性はないか?)
連絡手段(電話)は使えるか?
固定できていない物品はないか?
廊下や避難経路に障害物・危険物(ガラスの破損や可燃物の薬液など)はないか?

安心を提供する


災害直後には、誰かが駆けつけることや人の声を聞くことで、我を取り戻すといわれています。母子の安否を確認する時に「赤ちゃんは大丈夫」という言葉を聞いて安心したということが報告されています。

褥婦は自分の子どもの安全を気にしています。安否の確認は声をかけながら行い、できるだけ早く赤ちゃんの無事を確認し、伝えましょう。また、可能であれば、母子が一緒にいることができるようにしましょう。

他に重傷な患者がいたり、避難所などで体調を崩している人がいる場合、健康な妊産褥婦のケア優先度が低くなりがちですが、健康であっても災害による心身の影響を受けています。その人を気にかけていることを態度や言葉で示していくようにしましょう。


母子の避難方法


安全に避難するための方法として、下記のような方法があります。

◆母親と新生児の場合

母親が児を抱っこし、避難するようにしましょう。その際、抱っこ用たすき(スリング)やスカーフなどを用いて、母親の体に児をしっかり固定することで、母親の両手があき、より安全に移動することができます。

◆手術直後など自力歩行が不可能な場合

担架、シーツや車いすを利用しましょう。
比較的元気な入院患者に応援を依頼するなどして、マンパワーを確保しましょう。
  母親と新生児の場合

情報の入手と発信を行う


災害時には、通常用いている連絡手段が使用できなくなり、何が生じたかの把握が困難になります。また、一方で妊婦健診や分娩が可能かなど、診療機能に関する問い合わせが多くなります。情報の入手や発信に利用できる資源には、ラジオ、電話(特に公衆電話)、テレビ、インターネット、掲示板があります。外部の情報をラジオやテレビから収集してもらうように入院患者に依頼することもできます。使用可能な手段を使って、情報の入手と発信を行うようにしましょう。  

 

◆入手する情報

・何が起こったか
・被害状況
・外来受診中の妊婦や褥婦・新生児の安否や健康状態

◆発信する情報

・入院患者の安否
・診療可能かどうか
・医療施設を変更することに伴う情報
・生活上の注意点や緊急時の対応方法の確認

他施設へ転院する時

病院が被害を受けたために診療機能や患者の入院生活に支障が生じる場合もあります。妊産褥婦が他施設へ転院する必要が生じた場合は、下記のことを伝えましょう。 ・妊婦の所在を確認し、周辺の病院や連携病院の情報を伝える。 ・紹介状がなくても受診できることを伝える。 ・母子健康手帳を携帯するように伝える。紛失した場合は保健所や役所などで再発行できることを伝える

 


入院期間を融通する

被災状況により、通常より早めの退院を希望する人がいる一方で退院先が決まらない人もいます。妊産褥婦や新生児がより整った環境で生活していけるよう、入院期間を短縮・延長するなど融通していきましょう。退院時には、自宅の状態、支援してくれる人、相談窓口を知っているかなど、退院後の生活について情報を収集し、必要な情報を提供する必要があります。水の調達、ミルクの準備、オムツの準備、保清方法に関する具体的な方法や経済支援に関する情報も伝えましょう。


地域で利用できる資源を伝える

自治体によって受けられるサービスが異なるため、被災した妊産褥婦が退院する際には、保健所/保健センターに問い合わせることを伝えましょう。また、被災のため退院後の生活場所が決まらない場合、産褥入院や避難所など受け入れ可能な施設の情報を提供し、産後の生活の場が確保できるようにしましょう。近隣の避難所がどこにあるのか看護者自身も確認しておきましょう。

被災した妊産婦に対しては、いつでも相談を受ける姿勢はもちろんのこと、外来で声をかけたり、電話相談を行うなど、看護者側からも積極的に関わりましょう。
 

 

 

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