災害看護 命を守る知識と技術の情報館 ユビキタス社会における災害看護拠点の形成
あの時を忘れないために
本サイトのご利用にあたって
兵庫県立大学大学院看護学研究科 21世紀COEプログラム
役立ちマニュアル:がん患者偏
化学療法中の食事の工夫
備えの時期 災害発生初期 復旧・復興期

症状にあわせた家庭・避難所における食事の工夫



ここからのページは、化学療法中に起こりうる副作用と関連した食事のヒントを災害時の対処方法と合わせて挙げています。
また、ライフラインの停止した避難所における食べ物の取り扱いについて、全般的な注意点を以下にまとめています。
<食べ物の取り扱い注意点> 化学療法中は、免疫力が下がるため、感染予防に気をつけなければなりません。免疫力の低下は白血球の下がり具合により異なりますが、災害時における食事の工夫は、限られた物資の中でも、以下の点に注意して行う必要があります。

<食べ物の取り扱い注意点>
食事の前によく手を洗う。水道が出ない場合に備えて、ウェットティッシュを準備しておきましょう
清潔な食器や調理器具を使用する。水道が出ない場合には、使い捨ての紙皿やコップなどを使いましょう
生で食べる野菜やフルーツはよく洗う
肉や卵はよく火を通して食べる


(1)吐き気、嘔吐のあるとき


災害時は、断水によりトイレ環境が変わったり、ゴミ処理に時間を要したり、においの問題が生じることがあります。不快なにおいは吐き気を増強させる可能性があります。ゴミや吐物はにおいがもれないようにビニル袋でしっかり閉じ、においからできるだけ避けるようにしましょう。

吐き気のあるときは、口当たりが良く、あっさりした食品が好まれます。ライフラインが停止しても、そのまま食べられる果物がオススメです。中でも、リンゴ、ミカン、メロン、ブドウ、桃、トマトなどの果物は、口にしやすく、水分も多く含まれているので重宝します。避難する時には自宅から持ち出しておきましょう。


その他の食事のヒントは以下に挙げています。


冷たく、飲み込みやすいものをとりましょう
・ 一度にたくさん食べることは避けましょう。1日3回ではなく、何回かに分けて食べたいときに摂取しましょう
・ 消化を助けるためにゆっくりよく噛み、時間をかけて食べましょう
お菓子や揚げ物、脂っこい食べものは避けましょう
水分は積極的にとりましょう
炭酸のない清涼飲料水や、スポーツドリンクなどの電解質バランス飲料・栄養バランス飲料などは、体力保持によいでしょう
リンゴジュースやグレープジュースのように、甘味を加えられていない、冷たくて透明なジュースを飲みましょう


(2)口内炎のあるとき


口内炎のある場合や喉が痛いときは、食べにくく、食事が苦痛に感じられるものです。口内炎の回復をより早く図ることが必要です。また柑橘類(ジュースも含む)や、強い香辛料を使っている食べものは刺激になるので避けましょう。メロン、キウイ、トマトなどはしみる感じが強いという報告があります。また食事の温度や食事の硬さも影響します。食事は人肌程度の温度でやわらかいものがよいでしょう。災害時は、可能であれば、市販のお粥や離乳食を手に入れるとよいでしょう。離乳食は安全で、刺激が少なく、やわらかくて、食べやすいものです。乳児のいる避難所では入手しやすい食品です。また、口内炎がひどく、一時的に食事がとれないことが多い場合は、缶やパック入りの濃厚栄養剤も備えておくとよいでしょう。避難所で配られるクッキーや乾パンなどは、そのまま口に入れずに、飲み物にひたして、やわらかくしてから食べるとよいでしょう(ミルクティーにクッキーをひたして食べるなど)。その他、災害時に手に入る食品の中で、あなたがその時、食べられそうなものを試してみましょう。



(3)味覚異常のあるとき


化学療法によって、味蕾細胞(味覚に関わる細胞)や、末梢神経の障害や、唾液分泌の低下などによって味の変化を感じることがあります。味覚異常は塩味が鈍感になったり、苦く感じたり、甘みに敏感になったり、味を感じないなど人によって様々です。また化学療法による影響に加えて、災害時の食生活によるミネラル不足から味覚に変調をきたしやすい状態になります。入手できるミネラル(牛乳など)をとりましょう。また、あめやキャラメルを携帯し、苦みを消しましょう。



(4)下痢のあるとき


化学療法による影響に加えて、災害による心理的なストレスや避難所での生活環境の変化などから、また風邪をひき下痢を起こす場合があります。

からだを保温し、脱水になってナトリウムやカリウムが不足しないように、水分(汁物や市販のスポーツ飲料)をしっかりとりましょう。食事は腸への負担や刺激を少なくするために消化が良く、繊維の少ないものをとりましょう。災害時は、市販のお粥や離乳食を用いることができます。避難所の炊き出しでは、おじや・雑炊・煮込みうどんなどが消化のよい食事にあたります。また消化しやすい調理法は、煮る、蒸す、ゆでる方法です。それから、焼き物、炒め物、揚げ物の順に消化しにくくなっていきます。



(5)便秘のあるとき


化学療法で治療中は、治療による自律神経への影響などで腸の蠕動運動が抑制されたりします。また、食欲がないことで普段より食事量が減ったり、活動量が減ったりすることも便秘の原因となります。そのような化学療法による影響に加えて、災害による心理的なストレスや避難所での生活環境の変化、また配給される食事の偏りなどから便秘になりやすくなります。便秘については、あなたの行っている化学療法の副作用で便秘が起こりやすいかどうか、緩下剤などの薬の処方があるかどうかについて、日頃より主治医に相談しておきましょう。 便秘のある場合は、まず水分を十分にとりましょう。また便秘のあるときの食事の工夫としては、繊維のあるものがよいといわれています。避難所でバナナやさつまいもが入手できた場合、食がすすむようならば取り入れましょう。しかし、便秘によい食事は、消化のよい食べ物とは対照的になりますので、食欲もなく、便秘があるというときは、やはり食べられるものを食べることが優先となるでしょう。また、便は、大腸にたまった時間が長ければながいほど、水分を失って硬くなりますから、水分を十分にとり、早めに近くの医療者に便秘の現状について相談しましょう。

命を守る知識と技術の情報館
役立ちマニュアル
災害の時期で探す
役立ちマニュアル がん患者偏一覧ページへ
このページのPDF版はコチラ 印刷に適したページです
PDFデータをご覧になるにはAcrobat Readerが必要です。
Adobe Reader
お問い合わせ アクセスマップ プライバシーポリシー サイトマップ
Copyright © 2006 College of Nursing Art and Science,Hyogo. All Right Reserved.