災害看護 命を守る知識と技術の情報館 ユビキタス社会における災害看護拠点の形成
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兵庫県立大学大学院看護学研究科 21世紀COEプログラム
役立ちマニュアル:がん患者偏
自分のからだをよく知って痛みを緩和する
備えの時期 災害発生初期 復旧・復興期

痛みってナニ?


あなたが痛みを取り除く主体となります。


痛みをとる場合には、医師や看護師は、3つの目標を段階的に設定し痛みのコントロールを行います。

  1. あなたの痛みがとれて眠ることが出来る状態
  2. あなたの痛みが、安静にしていれば、消えている状態
  3. あなたの痛みが、からだを動かしても、消えている状態

 
Bの目標にいたるまでには、あなた自身による痛みの評価が非常に重要になってきます。医師や看護師があなたの痛みについて尋ねたとき、我慢せずに、どのように痛むのかを話してください。痛みは体験しているあなたにしかわかりません。あなたが痛みについて話すことから痛みのコントロールが進んでいきます。
医師や看護師は、あなたの痛みの訴えにはすぐに対応いたします。「痛みにすぐに対応しない医師は倫理的に許されない」とWHO(世界保健機関)は述べています。あなたの痛みは、取り除くことができ、そのための治療やケアを受ける権利があります。中には、取り除くことが難しい痛みの種類もありますが、それを緩和するための積極的なケアやキュア(医学的治療のこと)を受けることができます。
まずは、がんの痛みは取り除くことができる症状であるということを知り、痛みを取り除くことで、日常生活を取り戻すことができ、前向きに過ごすことができることを理解しておいてください。



災害時の痛みの感じ方は変化する


災害に遭ったことで、生命の危機を感じ、これからの不安やいつ起こるかもしれない災害に恐れを抱くなど心に衝撃を受けます。このような場合には、普段感じている痛みをいつもより強く感じることがあります。これは、痛みの閾値によるもので、からだの自然な反応です。また、死への不安などから急に怒りがこみ上げてきたり、一人ぼっちになったような気がしたり、なにもする気が起こらなかったりします。これでも生きる意味があるのか、なぜこんな目に遭うのかなどの気持ちが起きてきます。心と身体はつながっており、片方が悪くなるともう一方も不調となります。このような変化は、自分の身に悪いことが起こったときに起こる人間の反応としては非常に自然なもので、家族や看護師など身近な人に気持ちを話したりすることで気持ちを持ち直したりすることができます。それでも気持ちが持ち直せないときや辛い体験が続き気持ちの落ち込みが激しく続く時は、薬の手助けや専門家に相談することができます。医師や看護師は、あなたの言葉に耳を傾け、一緒に問題を整理し解決を図るケアを行います。こんなことを話しても仕方がないと思わずに、話したくなったら、そのときにあなたが話しかけられる看護師に声をかけてみてください。また、一時的に鎮痛剤の量を増やして痛みをとることが必要となってきます。災害時に痛みを強く感じたら、そのことをすみやかに医師や看護師に伝えてください。

痛みの感じ方に影響を与える要因には、次のようなものがあります。

痛みが強く感じる要因

痛みが弱く感じる要因
不快感
眠れない状態
疲労感
不安に思うこと
恐れ、怒り、悲しみ
うつ状態
退屈、うんざりすること
孤独感
痛み以外の症状が緩和されること
睡眠がよくとれること
人と分かり合えること
友人などとの語り合い
あなたにとって意味のある活動
リラックス
不安が少なくなること
気分がよいこと

(武田文和監訳(2003)トワイクロス先生のがん患者の症状マネジメント,医学書院,p18,表2.1.より一部改変引用)


災害に遭ったときには、取り除くことができない要因が多くあります。鎮痛剤だけではなく、ボランティアに話を聴いてもらったり、マッサージを受けたり、暖かい食べ物や人とのふれあいやリラックスすることによって、痛みは少しでも少なくなります。そばにいるボランティアに頼んでみましょう。

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